グレーゾーンだからといって困らないわけではない

発達外来で、診断書を書いてもらった。あなたはグレーゾーンなので、「アスペルガー障害の疑い」という診断書しか書けないと言われた。アスペルガー障害と診断されるには、あと4つ、困ることがそろわなくてはならない。しかし、現時点でも、過去においてでも、わたしはいろんなことで困っている。

 

子ども時代、緘黙になったとき、自閉症の子どもというくくりで扱われた。専門医からの診断は時代的な差別の問題があり、受けることはなかった。親が反対していたからだ。当時もSSTというものはあった。場面の絵カードを見せられ、このとき〇〇ちゃんが泣いたのはなぜかとか、なんでこのときに〇〇ちゃんが怒っているのかとかそういう質問をされたことがある。それにはほぼ全問正解していた。

 

自閉症のひとは、ドラマを見て、なんでこのときにこの人がこういう行動をとったのかわからないことが多いと聞くが、わたしはそういうことはわかる。

 

しかし、長時間、ひとつのことに集中することはわたしにとっては難しく、ドラマも、20分から30分したら、観ている最中についつい別のことを考え始めて、気持ちがそれてしまったときのタイムラグの存在により、全体の内容が頭に入ってこないことが多い。それは、今、仕事で参加している会議の時もそうだし、自分が授業を受けていた時もそうだったと思う。なので、わたしは、映画を観ることは苦手である。最近は、DVDや動画で観ることができるようになっているし、集中力が切れそうになったらストップして、回復したら再度再生ボタンをおせばいいだけになったので、そのあたりのところは、大丈夫のはずだが、リアルタイムでの会議の時は、集中を切らさないようにすることが本当に難しいので本当に困るのである。

 

しかも、わたしは、現職教員なので、集中力がぷつぷつ切れるような人を本来、指導しなくてはならないはずなのに、自分がほかの先生に指導される立場になってしまっています。フリスクを食べながらがんばったら、会議中にお菓子を食べるなと怒られました。なかなか周りに理解してもらうのは難しいようです。

 

今、わたしは、会議に参加するたびに毎回、毎回、書記をやっています(笑)。罰ゲームかこれはって思います。

 

転職回数の多さにびっくり!!-グレーゾーン-

発達障害の傾向があろうとも、診断名がないくらいなら、大丈夫じゃない?

とか、診断名がないのに、理解と支援を求めるのはおかしいんじゃない? とか言われがちですが、グレーゾーンの人も、理解と支援を得られずに二次障害になることがあります。というより、診断名がないために、理解と支援を得ることが難しいことが、二次障害の原因になるとも言えます。

 

大学時代に、なぜか、自分にとって最も合わないと思われる、飲食店でバイトしました。スープを作りながらご飯を炊き、サラダを作り、合間をぬって野菜をカウントし・・・という、マルチタスクが多い仕事でした。結果、半年もせずに、自殺未遂にまで追い込まれました。〇〇しながら〇〇するということができない人がいるということを、周囲が理解してくれなかったし、自分でもそういうことが不得意だとわかりませんでした。

 

新卒で福祉施設で働きました。介護スタッフです。この時も、周囲との放連相がうまくできずに孤立して、人間関係が悪くなって辞めました。当時は自分の思いを出しまくる部分が強くて、性格が悪いとか、怖いとか思われていた点もありました。その後、病院を転々とし、その後、生命保険の営業の仕事をはじめ、営業成績があまり良くなかったのでやめて、その後、多くの派遣会社に登録し、いろんな会社でカードの受付をしたり、コールセンターの電話に出たりしていました。

 

職を転々とすると、給料のベースアップもありません。なので、30代になると、こんな風でよいのかすごく悩み始めました。ちょうどそのころ、出会った夫と結婚し、数年後に子どもが生まれ、しばらくの間育児に励みました。

 

その後、子どもが大きくなったから、働き始めたいと思い、公務の仕事を始めました。とはいっても、臨時採用ですけども。内容は、子供の福祉と教育です。その仕事の手続きをするときに、改めて自分の転職回数の多さにびっくりしました。今の職場では、光や音に過敏性があることは伝えていますが、まだグレーゾーンだということはカミングアウトしていません。子供の施設といっても、発達障害専門のところですけどもね。

嫌なひとから逃げられない・・・!? ASDグレーゾーンの一番の問題点は人間関係がうまく築けないことにある?

アスペルガーグレーのわたしですが、大学に入学したばかりのころの話です。

サークルにたいしてなにかよくわからない憧れを抱いていたわたしは、新入生の時に、いろんなサークルに入ろうとしました。結果として、どのサークル活動も無理でした。

 

はじめは、ギターのサークルに入り、いくつか出来上がってしまった女の子のグループに入りたいと思いましたが、なかなかうまくいきませんでした。不器用なわたしをフォローしてくださる同性の先輩はいましたが、男の先輩にからかわれたことを真に受けたり、同じ学年の気の強い同性とトラブルになったりで、数か月で辞めました。

 

次に、雑誌を作るサークルに入りました。ここでも、みんなが横書きにするのに、わたしは縦書きにこだわるなど、どうでもいいことにこだわってトラブル? みたいになって、あとは、ほかのサークルのメンバーの冗談が通じなかったり、話をうまくキャッチボールできなかったりで、ボタンのかけ合わせがどんどん悪くなっていって、そして辞めざるを得なくなりました。

 

そして、サークルなんてもうやめたらいいのに、次にバンド系のサークルに入りました。はじめての飲み会で、男の先輩が性的なことを詳しく質問してきたり、服を脱いだりしていて、とても嫌だと思い、それをそのまま態度に表してしまいました。サークル室で性的な写真を壁に貼られたり、今の法律では先輩は逮捕されてしかるべきなのですが、なぜか、みんな、わたしの態度が悪いということになり(なぜか知らないけれど、同性の先輩までわたしが悪いと言っていました)最終的にはひどいノイローゼになって、そして退部しました。

 

グレーゾーンの人が、一番困るのが、人間関係です。それもASD(自閉症スペクトラム障害)の傾向が強ければ強いほど、周りの人とのボタンをうまくかけ合わせることができません。これも、訓練したらだいぶ落ち着いてくるものなのでしょうか。中学校、高校、大学と、ずっと人間関係をうまくやりすごすことができなくて困っていましたが、大人になった今では、あのころまで苦に感じることもなくなってきました。

光に関する過敏性

何年か前、飛行機関係のテーマパークみたいなところに行ったことがあります。

中では照明を落とし、赤や青や黄色や緑や紫の光がミラーボールのようにくるくるまわっていました。

 

小学生の子どもとそこに訪れたわたしは、きれいだなとはじめは思っていました。

しかし、1時間以上たったころ、気分が悪くて立っていられません。めまいも吐き気もするし、がまんすれするほど頭も痛くなってきます。

 

わたしは夫に子どもを任せて、自分一人だけ離脱し、会場の外で座り込みました。

光の感覚過敏です。自閉症スペクトラム障害の人に多いそうです。

ピカチュー現象といっしょかどうかはわたしにはわかりません。

一方的に喋りまくってしまう。話が飛ぶ。論破王に俺はなる!?

アスペルガーグレーのわたしは、ひとの話を聞くのが苦手です。

聴覚に弱さがあり、さらに集中力が続きません。

なので、長い話を聞いていると、ところどころ音飛びがして、(昔のレコードの針飛びみたいな感じ)聞いていない部分が出てきます。さらに、集中力が切れやすく、疲れてくると、溜息をつくくらいの時間の間、空いての話を全く聞いていません。なので、自分と同じように、一方的にべらべら話まくるタイプの人が苦手っていうか、そういう話し方をする人と話すのが苦手です。

 

さらに、話好きの人がべらべら話しまくっている最中、意味はだいたい同じなんだけど、文脈によって使い方やニュアンスがちょっとづつ違ってくる類の言葉が出てきて、それが横文字だったりすると、思考回路がそこで停止します(爆)。エビデンスなんていう横文字は、最も足るものです。証拠とか、論拠とか、そんなニュアンスかなというところで聞き飛ばすことができればいいんですが、文脈によってちょっとづつ違ってくることが気になると、そこで止まって後の話は耳に入ってきません。(オイ)

 

そして、いろんなことに興味がどんどん飛んで行ってしまうという、ADHD的な要素が加わると、自分が一方的に喋り捲っている間、相手の反応を確認せずにどんどん話が飛んでいきます。共感性が劣っているから相手の気持ちなどはすっとばしてしまうんですね。

 

そして、一番困るのは、気が付いたら論破王になってしまうところです。

一方的に喋りまくるひとが目の前にいて、その人の言っていることが偏った知見に基づいていると思われるとき、違和感がどんどん大きくなっていきます。なにいってんだろうと思っているうちに、こっちもしゃべりたくなってしまい、それを何度も押さえつけられて黙らされると、だんだん腹が立ってきて、ついつい相手を論破してしまいます。

わたしが論破したくなるのは決まっていて、発達障害のお子さんをお持ちの保護者の前で、「発達障害のお子さんが将来犯罪者にならないために必要なことは・・・・」と言っている医者とか、あと、2022年1月以降これだけ新型コロナの患者さんが増えてきて

発熱外来で患者さんをさばききれていないのに、いまだに、「新型コロナはインフルエンザと同じだ。死亡率を計算しろ。」と言われると、どっかーんと怒りがさく裂して、「何を言っているんだ、分母が違うだろう。すでに医療はある意味では崩壊しているが、病院もちゃんと患者さんをみていて、重症度が高い人から順番に診ているので、結果として死亡率が抑えられているだけだ」と言い返してしまう。

 

喧嘩好きの勝気な姉ちゃんとか、おばさんとか思われているならいいのかもしれないが・・・相手がどんな立場の人かも考えずにこれをやっちゃうと結構やばいかもしれない。

携帯電話の着信音が聞こえない

アスペルガーグレーゾーンのわたしです。

この記事では、わたしにとって一番困ることについてお話ししたいと思います。

『聴覚』です。

携帯電話の着信音が、聞こえないんです。

友達や夫から電話がかかってきても、気が付かないことがとても多いです。

相手はものすごく怒ります。当たり前です。

で、気を付けていても、同じように聞こえません。

 

自分が部屋で一人でいるときに、着信音を鳴らしてみます。

聞こえます。

聴覚に問題があるわけではないのです。

しかし!

外に出て、スーパーやコンビニで買い物をしているとき、

携帯の着信音がなっても、聞えません。

 

これを、聴覚処理障害と言います。

たくさんの音の中から、一つの音をより分けるのが苦手なのです。

だから、館内放送や有線の音楽が流れているところで、

携帯の着信音がなっても、気が付かないのです。

これは、対策をとることが難しいです。

 

着信音じゃなく、バイブレーションにすることもできます。

その場合、ずっとスマホを握り続けていたりすれば話は別ですが、

ほかのことに意識がいっていることがおおいので、気が付く自信は・・・ないです。

 

なので、自宅にいるときは固定電話にかけてもらうようにしています。

スマホに連絡を入れるときは、SNSとかを利用するようにして、

返事をいそがせないようにしてもらっています。

気づき

わたしが発達障害の傾向があることに、いつ気が付いたかについて書きます。

わたしは3歳ごろまで、定型発達と同じような成長を遂げていました。

3歳ごろ、いやなことがあって、緘黙になりました。家では、部屋の中から鍵をかけて籠城しています。保育園や小学校には、母親が毎日怒りながら自転車の後ろに乗せて無理やり通わせました。

 

母親は、自閉症だといいました。わたしも自閉症だと思い込まされてきました。

しかし、大人になって勉強してから知ったのですが、わたしの場合は緘黙症でした。

しかし、アスペルガーの傾向も強かったのです。3歳から5歳にかけて、自傷行動がすごかったです。コンロの火の中に手を突っ込んだり、母が使っているミシンの針のところに手を突っ込んだり、普通しないでしょう。わたしはやっていました。けがをした時の母親の反応が急にやさしくなるからです。しかし、それだけの理由でそんなことするでしょうか。

 

わたしは、大人になってから子供を産んで育児していますが、どんな想像をもってしても、興味があるからこんなすごい自傷行動をするというシュチュエーションというのがわかりません。

 

そしてわたしは、いろんな理由があって、(鬼のように怖い)母親が大嫌いでした。それも部屋に籠城する理由の一つでした。